鮎釣りは川に立ち込むスタイルであり、状況によっては危険を伴います。
アユルアーフィッシングを始める際には、川の危険性を把握して安全第一に釣りを楽しみましょう。
今回は、鮎釣りの危険性について解説。
水難対策や鮎釣りに適しているライフジャケットも紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
鮎釣りは危険なの?
鮎釣り、とくに友釣りでは腰以上までの水深に立ち込む場合があります。
ちょい投げが基本のアユルアーフィッシングにおいては、そこまで立ち込むケースは少ないものの油断は禁物。
毎年必ず、鮎釣り中に流されてお亡くなりになる方がいます。
以下は、公益財団法人「河川財団」のホームページで公表している「全国の水難事故マップ」です。
釣りよりも、バーベキュー中や子供の無理な川渡りなどが原因のケースが多いですが、これだけの水難事故が毎年発生しています。
ちなみに、アユルアーフィッシングのメッカ「相模川」でも多くの水難事故が発生していますよ。
鮎釣りに限ったことではないのですが、自然の川に立ち込むなら危険性を十分に把握したうえで、安全に釣りを楽しむよう心掛けることが重要なのですね。
鮎釣りで危険を回避する水難対策
アユルアーフィッシングにおいて、川での危険を回避するための水難対策を紹介します。
流れが強いポイントに立ち込まない
流れが強いポイントに立ち込む際は、十分に注意が必要です。
万一滑って転んだら危険、と思われるポイントには立ち込まないようにしましょう。
とくに、ツルツルとした岩盤のポイントは危険。
踏ん張りが効きにくく、手をついても滑ってしまい立てなくなる恐れがあります。
また、流された場合を想定し、下流側に浅場があるのかも確認しておきましょう。
立ち込むなら鮎釣り用装備を身に着ける
鮎が主食とする珪藻類が付いた石は滑りやすく、専用の装備が必要です。
まず、滑りにくいフェルトを備えた鮎タビが必須。
マリンシューズや釣り用長靴など、一見グリップ力がありそうでも川では滑ります。
また、鮎釣り用のタイツを履くのがおすすめ。
クロロプレン素材で体にぴったりと密着し、流れの抵抗を減らせます。
渓流釣りやソルトウォーター用のダボっとしたウェーダーを履いている方をよく見かけますが、その場合はヒザ下の浅い流れのみに立ち込むようにしましょう。
万一転ぶと内部に水が入り込んで動きにくくなり、最悪立てないケースもあり得ます。
安全にアユルアーフィッシングを楽しむには、安くても問題ないので鮎タイツの購入を検討してください。
根掛かりを外す際は十分に注意する
アユルアーフィッシングでは、ルアーが根がかりする場合があります。
自分で外しにいく際は、十分に注意しましょう。
どうしても外れない場合は、ロストしても致し方ありません。
潔くあきらめましょう。
ポイントによっては「根掛かり外し」が役に立つ場合があるので、チェックしてみてください。
流されたらロッドを手放す
万一流されたら、ロッドを手放しましょう。
大切なロッドを守りたい気持ちになっても、片手がふさがっているぶん危険が増す可能性があります。
命があっての鮎釣りですから、危険回避を第一に行動しましょう。
頭を守ることが重要
流されて流れにもまれている状態になると、石に頭をぶつけて気を失うケースがあります。
頭の後ろに手を回して、仰向けのまま流れされるのがもっとも安全。
パニック状態では難しいかもしれませんが、覚えておきましょう。
鮎釣りの危険を回避するならライフジャケットを着用しよう
元来、鮎釣りではライフジャケットを装着する習慣がありませんでした。
立ち込みで転べば全身が濡れる場合もあり、海釣りで一般的な水に濡れると自動的に気室が膨張するタイプは向いていないのですね。
ただし、鮎釣り中の水難事故が後を絶たないこともあり、鮎釣り用のライフジャケットも登場しています。
なかでも、力を入れているのが大手釣り具メーカー「ダイワ」。
現時点で、以下の2モデルを販売しています。
友釣りを想定して開発したライフジャケットですが、アユルアーフィッシングでも問題なく使用可能です。
ダイワ(DAIWA) ショートライフジャケット ネックタイプ手動膨脹式 DF-2520
首に装着するネックタイプの鮎釣り用ライフジャケットです。
ベストを通常通り着用しても違和感なく装着できるタイプで、手動膨張式で万一浅場で転んで濡れても膨らみません。
また、万一流されたときに頭部をしっかり守れるのもポイント。
現時点では、鮎釣りにもっとも適しているライフジャケットです。
ダイワ(DAIWA) スペシャル バリアテック フロートショートベスト
鮎ベストに浮力材を搭載しているタイプです。
一般的な海釣り用のライフジャケットのように厚みがなく、鮎釣りの動作を妨げません。
万一流された際はそのまま浮くので、「いざという時に紐を引けるか心配」という方におすすめです。
ただし、胸ほどの水深に立ち込むのには向いていません。
レスチューブは鮎釣りに向いているのか?
レスチューブとは、腰にセットするタイプの膨張式緊急浮力体です。
コンパクトさが人気ですが、もともとマリンスポーツを想定したベルトタイプになっています。
鮎ベルトに装着するなら、付属のベルトを取り外してセットしなければなりません。
鮎ベルトは引き舟ホルダーやペットホルダーを取り付けたり、タモを挿したりする必要があるので、取り付けにくいかもしれないです。
また、レスチューブはライフジャケットではなく、紐を引っ張ると飛び出してくる浮力体につかまります。
ようは浮き輪ですね。
自分でつかみにいく必要があり、強い流れで流された際に袋をつかめない恐れがあります。
鮎釣りでの水難事故の多くは、倒れた状態で流されて顔を水面上に出せずに溺れるケース。
流れがゆったりしているトロ場なら問題ないかもですが、流されたら立てないような場所で浮力体につかまれるのか、機能するかは未知数です。
鮎釣りにおいては「ないよりはマシ」と、考えておいたほうが無難なのではないでしょうか。
1万円以上と特別に安くもないですし、せっかく購入するなら実際の鮎釣りを想定して設計やテストを繰り返したライフジャケットのほうが安心だと考えます。
【まとめ】安全を確保してアユルアーフィッシングを楽しもう
どのような釣りでも自然が相手ですから、危険が伴います。
とくに滑りやすい川に立ち込むアユルアーフィッシングにおいては、十分に注意しながら安全に釣りを楽しみましょう。
できれば、水流抵抗を減らせる鮎タイツを履いてライフジャケットを装着し、万一流れの中で転倒した際の安全性を確保してくださいね。