鮎針はメーカーによっては40種類以上もあって「選ぶだけで大変」と、感じている方も多いかもしれません。
もともと、長い歴史がある友釣り用なので多いのは仕方ないのですが、アユルアーフィッシング用として選ぶならダイワの「D-MAX 鮎」シリーズがおすすめ。
シンプルなラインナップで選びやすく、なかでも「スピード」「キープ」「マルチ」の3種を用意しておけば、ほとんどのシチュエーションに対応可能です。
本記事では、ダイワの鮎針にフォーカスして特徴や選び方を解説します。

針選びで迷っている方は参考にしてみてください。


「ダイワD-MAX 鮎」シリーズは11種類で選びやすい


ダイワの鮎針「D-MAX 鮎」シリーズは、現在以下の11種類をラインナップしています。
アイテム | 特徴 |
スピード | 掛かり重視、チャラ・トロでの数釣りに最適な「早掛けタイプ」 |
マルチ | 場所を選ばず、瀬からトロまで迷わず使える「万能タイプ」 |
キープ | 追いの弱い鮎をガッチリキープしてバラシを激減させる「キツネタイプ」 |
エアースピード | 掛かり重視、「スピード」の軽量・細軸モデル |
パワーミニマム | ミニマムに「重量」と「パワー」をアップした「早掛けキツネタイプ」 |
ミニマム | 天然遡上河川による小型サイズ(約20cm未満)の数釣りに威力を発揮 |
速攻S | 先鋭のトーナメント仕様。スピードの針先をさらに短くしたうえで、フトコロが広くキープ力も保持 |
フックK | 掛かりが早く、バレにくいキープ形状で保持力が高く、さらに針先のストレート化で掛かりスピードアップ |
パワーキープ | キープをさらにパワーアップした太軸モデルで強い瀬で効果を発揮 |
大鮎II | 深いフトコロでバラしにくい大鮎専用モデル |
パワースピード | 瀬の中の良型を積極的にかけていく早掛けタイプ |
アユルアーフィッシング初心者には、11種類でも多くて選ぶのが大変かもしれません。
しかし、実は11種類なら少ないほう。
メーカーによっては30種類、なかには40種類以上の鮎針をラインナップしているメーカーもあります。
友釣りはオトリの循環を切らさないために、短時間で1匹でも多く掛けるには「針合わせ」がとても重要であり、針選びにこだわっている方が多いのが理由です。
一方、アユルアーフィッシングにオトリの循環はまったく関係ありません。
筆者は、「アユルアーフィッシングに針合わせはそこまで重要ではない」と考えており、針選びに迷っているなら、シンプルに選びやすいダイワの鮎針をおすすめします。
アユルアフィッシングの針については、以下の記事でも選び方やおすすめ製品をご紹介しています。


おすすめはダイワ鮎針「スピード・キープ・マルチ」のローテーション
アユルアーフィッシング初心者の方の場合、「11種類でも多い。どれを選んだらよいの?」と思うのではないでしょうか。
アユルアーフィッシングでダイワの鮎針を使うなら、以下の3種類を用意しておけばさまざまなシーンに対応できます。
スピード


針先が真っすぐな「ストレート」タイプの鮎針です。
「早掛けタイプ」とも呼ばれ、名前のとおり掛かりの速さを優先したいシーンに適しています。
ただし、針先が真っすぐなのでキープ力がやや劣るほか、根掛かりしやすいのがデメリットです。
キープ


針先が内側に向いている「シワリ」タイプの鮎針です。
「キツネタイプ」とも呼ばれており、掛かりの速さよりもバレを減らしたい場合に適しています。
根掛かりが多発するシーンにもおすすめです。
マルチ


スピードとキープの中間的な鮎針です。
オールラウンドに使いやすく、どれか1種類だけに絞りたい方にも適しています。
アユルアーフィッシングに「スピード・キープ・マルチ」が適している理由


鮎針には細軸・中軸・太軸があり、スピード・キープ・マルチは中間的な太さの「中軸」の鮎針です。
友釣り1では、針が掛かった野鮎とオトリが反対方向に引っ張り合って針がしっかり食い込みますが、アユルアーフィッシングではそれがありません。
「アユルアーフィッシングはバレ2やすい」とされる原因のひとつであり、中軸よりも軽い細軸の鮎針では食い込みが弱く、ケラレやバレが増えてしまうのです。
逆に、太軸だと根掛かりしやすくなります。
すなわち、もっともオールラウンドに使いやすいのが中軸の鮎針なのです。
軸の太さに統一規格はないですが、およそ以下が目安です。
号数 | 細軸 | 中軸 | 太軸 |
6.5号 | 0.37mm | 0.39mm | 0.41mm |
7.0号 | 0.39mm | 0.41mm | 0.435mm |
7.5号 | 0.41mm | 0.435mm | 0.46mm |
ダイワ鮎針「スピード・キープ・マルチ」の使い分け
ケラレ3やバレが連続して発生する、活性の高い野鮎がたくさんいるのに掛からないなら、針を交換するタイミングです。
また、スピード・キープ・マルチをシチュエーションに合わせてローテーションする際は、以下を目安にチョイスしてみてください。
種類 | 向いているシーン |
スピード | ・高活性時 ・シーズン初期など、鮎の皮が柔らかいとき |
キープ | ・バレや根掛かりが多いとき ・盛期以降、鮎の皮が硬くなってきた場合 |
マルチ | ・スピードで根掛かりが多く、キープで掛かりが遅いとき ・どれか1種類に決めて、針選びに迷いたくないとき |
ただし、あくまで目安です。
針に「絶対」はないので、ケラレやバレが多発するなら、とにかく針を交換することが大切です。
ダイワ鮎針の選び方
シリーズで選ぶ


ダイワの鮎針には、以下の2シリーズがあります。
- D-MAX 鮎 SS:スタンダードシリーズ
- D-MAX 鮎 SPECIAL:ハイグレードシリーズ
D-MAX 鮎 SPECIALは針先に特殊コーティングを施しており、より刺さり込みやすいと謳っているシリーズです。
短時間で1匹を争う友釣りトーナメント派に適したタイプで高価格ですし、アユルアーフィッシングではスタンダードシリーズのD-MAX 鮎 SSで十分だと思います。
バラかパッケージを選ぶ
D-MAX 鮎 SSシリーズのスピード・キープ・マルチは、タイプ別に以下の4タイプから選べます。
- バラ針
- ワンデイパック マーキング
- プロパック マーキング
バラ針


コストをできるだけ抑えたいなら、バラ針で自作したほうが割安です。
1箱96入りで、3本イカリ32本、4本イカリを24本作れます。
自分好みのハリスで巻きたい方にもおすすめです。
ワンデイパック マーキング


自作する時間がない方、手軽に使いたい方には完成品パッケージの「ワンデイパック マーキング」がおすすめです。
14本入りで、1日の釣りにぴったり。
ハリスにマーキングを施しており、ハリス止めに通しやすくなっています。


3本イカリと4本イカリから選択できます。
プロパック マーキング


「プロパック マーキング」は、3本イカリ45本、4本イカリで40本がパッケージされたタイプです。
ワンデイパックを何個も購入するよりもコスパがよく、ある程度の釣行回数がある方におすすめ。
「フロロハリス」にくわえて、太さを部分的に変えてハリス切れ・スッポ抜けを激減させるダイワ独自の「ダブルテーパーハリス」からも選択できます。


アユルアー専用鮎針「アユイングフックSS」もチェック


アユイング用として販売されている完成品のパッケージタイプです。
3本イカリが5本入っており、以下から選択できます。
- キープ:掛かったらバレにくい
- パワーキープ:太軸で掛かった後もがっちりとキープ
- スピード:針先ストレートの早掛けタイプ
マルチがない代わりに、太軸の「パワーキープ」をラインナップ。
押しの強い流れや増水時に針が浮いてしまうような状況や、身切れ4が多発するシーンで活躍します。
ルアーケースとして使えるダイワのマルチケース等にぴったり収まる、ストック用マットを採用しているのもおすすめポイントです。


アユルアーフィッシングの鮎針に関するよくある質問
3本イカリと4本イカリはどちらがよいですか?
3本イカリがおすすめです。4本イカリよりも深く掛かりやすく、バレやすいアユルアーフィッシングに適しています。
号数はどれを選べばよいですか?
流れの強さや鮎の大きさに合わせて選ぶのが一般的です。イカリの場合は6.5~8.0号を用意しておけば、さまざまな状況に対応できるでしょう。チラシ・ヤナギは針が浮き上がりやすいので、8.0号以上がおすすめです。
チラシ・ヤナギ5ではダメですか?
使用しても問題ありません。ただし、川によってはハリスの長さや針の数に規定を定めている場合あるので、確認しておきましょう。
ちなみに、ダイワではイカリ針の使用を推奨しています。長いハリスのチラシ・ヤナギはルアーから離れている野鮎を掛ける可能性があり、追い気のある鮎を掛ける友釣りの精神とゲーム性を追求したいのが理由です。
また、ハリスの長いチラシ・ヤナギをルアーフィッシングで使うと、ともすればコロガシ釣りのようにただ引っ掛けているだけと捉えられる可能性も考慮していると思います。
交換するペースは?
交換するペースに決まりはなく、針先が鈍ったと感じたら交換しましょう。とはいえ、鈍っているかわかりにくい場合は、30分に一度換える、ルアーをチェンジするタイミングで換える、根掛かりしたら換えるといったルールを設けておくと、迷わずに済みます。
ダイワの鮎針でシンプルに使い分けしよう
ダイワ「D-MAX 鮎」シリーズは、針選びに迷っているアユルアー初心者の心強い味方。
とくに、「スピード」「キープ」「マルチ」の3種類は中軸の鮎針で、アユルアーフィッシングにぴったりです。
お試し用としてなら、本数の少ないアユイングフックSSもチェックしてみましょう。
あまり難しく考えずに、ダイワの鮎針をシンプルに使い分けて釣果アップを目指してくださいね。